攻玉社中学校の入試問題分析(2019-2021年)

2021年

算数

大問1 計算問題
大問2 小問集合
大問3 動点による面積の変化
大問4 立体の体積と表面積

昨年度より大問2が小問集合になったことで、受験者平均・合格者平均ともに上昇傾向にあります。
例年大問3はグラフの読み取り、大問4は図形問題と出題内容は固まっているので、ある程度的を絞った対策が可能です。大問3は速さや水量変化などのグラフを使った問題を、大問4は切断した立体の体積・表面積を求める問題を重点的に解くことで、高得点を目指しましょう。

国語

大問1 漢字の読み取り
大問2 漢字の書き取り
大問3 ことわざ・慣用句・故事成語
大問4 論説文(河合隼雄『中学生までに読んでおきたい哲学』)
大問5 物語文(村山由佳『約束』)

例年通りの構成です。大問4の物語文は例年、第1回は文豪をはじめとした古い題材が使われてきましたが、今年度は現代小説で、しかも多くのテキスト類にも所収されている作品でした。大問3の言語知識も平易であることからも合格ラインは高かったものと考えれます。攻玉社は選択肢問題中心の問題構成です。しかも五択です。選択問題の練習は欠かさずおこない、間違いをしっかりと分析しながら実力をつけていきましょう。

理科

大問1 植物の冬越し(ラウンケルの生活形)など
大問2 太陽の年周運動・日陰曲線
大問3 気体の性質と発生量の計算
大問4 凸レンズと凹レンズ

合格者平均37. 2点(受験者平均34. 0点)と高得点勝負となりました。例年通り4分野から1題ずつ出題されています。基本的には一度は見たことがある問題を中心に構成されていますが、大問4は10ページにわたって問題が続きますので解き切るのに苦労した受験生もいたことでしょう。物理分野や化学分野は計算問題で差がつきますので、日ごろからやや難しめの問題にもチャレンジし、レベルアップを図りましょう。

社会

大問1 総合問題(2020の出来事・日本で流行した病気 など)
大問2 地理総合問題

昨年度まで出題されていた100字以内の論述問題が無くなり、受験生にとっては負担減となったはずです。その分用語の書き間違えなど細かいミスが勝敗を分けたものと思われます。出題傾向が毎年微妙に変わる本校ですが問わ れる内容は基本的なものが多く、かつ、1回目・2回目の入試とも問題構成を揃えてくるため、塾での授業内容を定着させ、重要用語については漢字で正確に書く練習をしっかり積めば、十分に合格ラインに到達できるはずです。

 

2020年

算数

大問1 計算問題
大問2 小問集合
大問3 食塩水
大問4 立体図形・点の移動

3年連続で大問4題構成となりましたが、昨年度までは大問1が計算問題と小問集合だったのに対して、今年度は計算問題と小問集合が分割され、実質的な大問の数が減りました。小問のウェートが大きくなったため、前半で取りこぼすことなく正解を積み上げられたかどうかがひとつのポイントになったものと思われます。後半の大問の形式は変化していないため、過去問をやりこんでおくことが大切です。

国語

大問1 漢字の読み取り
大問2 漢字の書き取り
大問3 手紙の書き方
大問4 物語文(久米正雄『金魚』)
大問5 論説文(佐藤卓『塑する思考』)

例年通りの構成です。大問4の物語文は時代を感じさせる文章でした。登場人物は少なく、起こっている出来事自体も易しいので、内容把握に困ることはなかったでしょう。設問も言語知識に寄ったものでした。論説文は、日本人が使う箸やふろしきはデザインが「ほどほど」であるがために、それを使いこなそうと工夫したり、感性を養ったりしてくれるのだという論旨の文章でした。攻玉社の論説文は学問の導入というような概論的な文章を好みます。具体例と論旨の読み分けをスムーズにおこなう練習が必要です。

理科

大問1 昆虫や土壌生物について・顕微鏡
大問2 自然現象について・地震や津波
大問3 水の状態変化・溶解度の計算
大問4 電流と磁界(コイル・直流モーター)

例年通り、4分野から1題ずつ出題されています。生物分野は細かい知識が問われることがあるので要注意ですが、基本的には一度は受験生が見たことがある問題を中心に構成されています。各大問の中で様々なテーマを問うてくる傾向にあるので、まんべんなく学習する必要があります。物理分野や化学分野は計算問題で差がつくことが多いので、日ごろからやや難しめの問題にもチャレンジし、レベルアップを図りましょう。

社会

大問1 総合問題(時事・歴史・公民)
大問2 総合問題(中部地方の地理、平成史・公民)

毎年出題傾向が変わる本校ですが、今年度は昨年度の構成が踏襲された形となり、時事問題をからめた現代日本の問題点を中心に、100字以内の論述問題と地理・歴史の知識問題となっています。大問2の論述問題では、昭和40年~45年が高度経済成長期にあたることに気付けたかがポイントです。全体的に基本的な知識を問うものが多く、用語の書き間違いなどの細かいミスが勝負を分けたものと思われます。

 

2019年

算数

大問1 計算・小問集合
大問2 規則性
大問3 速さ
大問4 立体図形

2年前までは大問5題構成でしたが、昨年度に引き続き今年度も大問4題構成となりました。本校の頻出単元は、規則性・グラフ・平面図形・立体図形で、グラフの問題や立体図形は難易度が高い問題が出題されます。今年度はグ ラフや平面図形が出題されなかったものの、受験者平均点は59. 6点となり、全体的な難易度に大きな変化は見られ ませんでした。出題傾向や形式の変化が小さいため、過去問をやりこむことが大切です。

国語

大問1 漢字の書き取り
大問2 漢字の読み取り
大問3 単語の分類
大問4 物語文(徳田秋声『初奉公』)
大問5 論説文(加藤秀俊『社会学― わたしと世間』)

例年通りの構成です。大問4の物語文は時代を感じさせる文章でした。主人公・お初が奉公に出る話です。受験生にとってはなじみのないことなので読みづらさはあったかもしれません。ただ、設問はいずれも一問一答のような形式で、これまでのような難問ではありません。面食らってしまったかもしれませんが、案外すんなりと解けます。次に論説文ですが、本校は専門分野の導入や概念が説明された文章を好む傾向があります。具体例と論旨の読み分けをスムーズにおこなう練習が必要です。

理科

大問1 動物の体、ヒトの誕生と成長
大問2 宇宙と地球
大問3 二酸化炭素の発生
大問4 てこ

生物・地学・物理・化学の4分野からの出題です。例年通り、設問数は多いですが平易な問題で構成されていました。以前は物理や化学の計算問題の難度が高かったのですが、ここ数年はかなり解きやすいレベルに落ち着いています。生物の問題は、雑学的な内容の問題が出題されることがあるので注意が必要です。対策として、まず各分野の基本知識を定着させることです。その上で過去問演習を通して、問題を解ききるためのスピード感を養いましょう。

社会

大問1 総合問題(時事・歴史・公民)
大問2 昭和史・交通・運輸

第1回入試の受験者平均点は37. 3点(昨年度は29. 7点)でした。大問1の元号についての問題を除けばどの問題も基本的なことがらが問われており、受験生は解きやすかったと思われます。大問2の問5で出題された100字以内の論述問題は、「保冷」にどのようなメリットがあるかが分かれば十分に書くことができたはずです。本校の社会は毎年のように出題形式が変わりますので、基礎知識を早めに固め、その上で色々な学校の過去問演習を行うことがおすすめです。

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