2024年度 開成中学校の出題構成と問題分析【算数】60分[85点]
出題構成 | |||
大問1 | 小問集合(数・割合・図形移動) | 大問3 | 立体図形(多段階切断) |
大問2 | 場合の数(前の場合利用) |
受験者平均点48.6点(57.2%)、合格者平均点58.3点(68.6%)と、昨年度に比べると難化しましたが、昨年度が大変易化した年であったため、本校にとっては標準的な難度となりました。毎年斬新な出題があり、知識に偏らない良問揃いの本校ですが、今年も大問1からして、“使用する数字の個数が少ないほど得点が高くなる”といった斬新さが見られました。未知なる問題にも意欲的に立ち向かう学習を普段から心掛けましょう。
2024年度 開成中学校の出題構成と問題分析【国語】50分[85点]
出題構成 | |||
大問1 | 説明文(佐々木正人『時速250kmのシャトルが見える』) | ||
大問2 | 物語文(千早茜『おとぎのかけら 新釈西洋童話集』) |
大問1の『時速250kmのシャトルが見える』は、2008年に刊行された新書であり、アスリートたちの身体を取り巻く「環境」に焦点を当てています。この「環境」を生態心理学で「アフォーダンス」と呼びますが、この表現の意味を把握して読解することが求められています。大問2の作品は「みにくいアヒルの子」をベースにした内容。設問すべてが心情に関わるものです。なお、大問1は字数制限付きで、大問2はその制限はありませんでした。合格者平均点と受験者平均点の差が10点近くあり、例年よりも差のつきやすい問題といえます。
2024年度 開成中学校の出題構成と問題分析【理科】40分[70点]
出題構成 | |||
大問1 | 水溶液の推定・phと溶解度計算 | 大問3 | こん虫 |
大問2 | 月(太陽暦と太陰暦・スーパームーン) | 大問4 | 回路と電流・発熱 |
合格者平均は60.2点(86.0%)、受験者平均は55.2点(78.9%)です。昨年度同様に高得点勝負となりました。本校の受験生であれば定番に感じる問題が多く出題されていますが、大問2については他の大問に比べるとそれほど目にしたことのない問題だったことから合否を分けたと考えられます。確固たる基礎力と思考力を身に付けること、難問や初見の問題をじっくりと考えることの2点を意識して学習しましょう。
2024年度 開成中学校の出題構成と問題分析【社会】40分[70点]
出題構成 | |||
大問1 | 社会の変化 | 大問3 | 歴史人物 |
大問2 | 都道府県の特色 | 大問4 | 小問集合 |
本校の社会は年度によって出題構成が異なります。今年度は大問4題構成、近年よく出題されていた短文論述の出題がなかった一方で、東京都に関する出題は復活しています。今年度の合格者平均点は52.5点(70点満点・得点率75%)で、難度がやや上がりました。求められる知識の幅が広く(今年度は「海里という単位の起源」「河川増水時における水門の働き」など)、数値情報への処理能力も正確性と速さが必要です。「知識欲」がないと合格は難しいでしょう。
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