
学びはそもそも楽しくあるべき
今回は中学受験の新年度に際し、勉強への向き合い方にお悩みのご家庭におすすめの本をご紹介します。
子どもたちはおもしろいと思ったことは率先してやりますし、おもしろくなくて自分にメリットがないことはやりたくないと、とても正直です。頭を使い、脳に汗をかくのは楽しいこと、中学入試の問題はおもしろいもの、と思っていただければ嬉しいです。
遊びながら学んだことはずっとわすれない
「ヒマつぶしドリル」は、ちょっとした空き時間やリラックスしたいときに楽しめるエンターテインメント要素満載の問題集です。このドリルの魅力は、幅広いジャンルの問題が盛り込まれていること。クイズやパズル、なぞなぞ、論理的思考を試される問題から、軽い知識系のトリビア問題まで、多彩な内容が用意されています。
問題を解くだけではなく、考える過程そのものを楽しむことを目的としており、頭の体操やストレス解消にもぴったり。友達や家族と一緒に競争して解けば、コミュニケーションを深めるツールとしても活用できそうです。
難易度ごとに分かれ、バリエーション豊かなシリーズ
難易度は簡単なものから頭を悩ませるものまで、難易度ごとに本が分かれています。最近は算数国語だけでなく、算国理社に英語を加えた5科目を取り上げたものも出て人気を博しているようです。
子どもから大人まで誰でも気軽に取り組めること、「ドミノ筆算」、「ことわざめいろ」や「類義語つなぎ」など、問題のバリエーションの多さも飽きない理由の一つです。
パズルで「自分もできるかも」という感覚を
こちらの著者である田邉亨さんの主宰するりんご塾は、幼児から小学生を対象とした算数専門の学習塾です。「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」をテーマに、独自の教材とメソッドで子どもたちの思考力や問題解決能力を育成しています。
自分の成長を感じてほしい
塾が算数オリンピックや算数検定などの競技数学に力を入れているのは、自分の成長を感じてほしいから、とのこと。特に数学検定や算数検定は、必要な努力ができれば合格できる検定。そして、一度自信を無くしてしまっている子でも、そういった検定にチャレンジする気持ちを取り戻させるには学年の区切りを感じさせないパズルが効くといいます。
頭を使うことが楽しいと思える子に
能動的に知識に触れることによって刺激される 知的好奇心。子どもたちは答えが欲しいと思うから、何とか迷路のゴールまでたどりつこうとしたり、ぐっと集中して文字を辿ろうとしたり。そうすることによって、諦めるまでの時間が少しずつ長くなり、それは集中できる時間の長さにもつながります。
箔押しのおしゃれな表紙に、全ページフルカラーの目にも楽しいつくり。伊豆見さんのかわいいイラストも相まって、勉強の本という雰囲気は感じられません。遊んでいるうちに、気づいたら良い頭の使い方をしていたという経験ができる本です。
考えることが面白いと思える子 、そしていつでも最短距離の解き方を求めるのではなく、思考の寄り道を楽しめる子はこれから先も、自ら深い学びを楽しめます。その種まきとして本書がヒントになるのではと思います。