浅野中学校の入試問題分析(2016-2018年)

2018年

算数

大問1 計算・小問集合
大問2 水面の変化とグラフ
大問3 速さ
大問4 立体の切断

例年大問1と大問2で分けて出題されていた計算問題と小問集合が、今年度は大問1にまとめられました。計算・小問集合の小問の数は、2年前から9問→6問→5問と減少を続けており、大問の比重が相対的に高くなってきています。後半の大問は思考力を問うような問題が出題される傾向がありますので、典型問題の解法を早い段階でマスターした上で、初めて見るような問題にどのように取り組むかのトレーニングを積みましょう。

国語

大問1 漢字の読みと書き
大問2 物語文(温又柔『来福の家』)
大問3 論説文(森博嗣『孤独の価値』)

例年通りの構成です。記述問題は20字と40字が2問ずつで、設問数・字数ともにほぼ例年通りです。選択問題は昨年まで4択と5択が入り混じっていましたが、今年度は4択に統一されています。選択肢の文は長いもので100字近くあり、読むだけでもひと苦労ですが、本校は選択問題の読み取りが読解の核となります。消去法を含む様々な解法を身につけて試験に臨みたいところです。

理科

大問1 消化(柔毛・根毛・肺胞の共通点)
大問2 生物の環境への適応
大問3 地層・化石・岩石
大問4 中和反応(中和熱に注目した計算など)
大問5 相対速度・ドップラー効果

合格者平均得点率は76.0%で、易化した昨年度(70.3%)をさらに上回りました。初見の問題も少なく、全体を通じて標準的なレベルの問題でした。大問4・5の後半の設問については条件の整理が必要なため合否を分けたと考えられます。本校の問題は、踏み込んだ知識や、やや複雑な計算問題が出題されることがあります。同程度の男子校の入試演習で練習を多く積み、対策をおこないましょう。

社会

大問1 歴史総合
大問2 地理総合
大問3 現代の日本
大問4 論述問題(上杉謙信の出兵の時期)

出題構成はほぼ例年通りですが、小問数がわずかに減少し、各大問のリード文の分量も減少しました。最後の論述問題の制限字数も減少したので、時間的にはゆとりを持って取り組めたはずです。出題内容も標準的なものが多く、合格者の平均得点率は70%近くになりました。表の読み取りや論述問題など定番の出題については過去問題演習を通じて事前に対策をし、全分野とも単なる語句の暗記ではなく知識を正確に理解して定着することを心掛けましょう。

 

2017年

算数

大問1 計算問題
大問2 小問集合
大問3 ダイヤグラム
大問4 三角形と内接円
大問5 カード並べ
大問6 直方体と三角すい

例年通り大問6題構成ですが、大問1は1問、大問2は5問で基本問題の小問数が減り、難度の高い後半の問題の設問が増えました。記述形式の設問も昨年度に比べて1問減り、今年度は1問のみの出題でした。大問4までは標準問題中心の構成なので効率よく解き進め、大問5および6に時間をかけたいところです。対策として、基本解法を早めに定着させ、過去問演習を通して、考え方をまとめる記述対策を行うとよいでしょう。

国語

大問1 漢字の読みと書き
大問2 物語文(粕谷知世『ひなのころ』)
大問3 論説文(加藤周一『読書術』)

例年通りの構成です。記述問題は20字が2問、30字が20問と設問数、字数ともに少なめです。物語文は選択肢中心の設問構成です。4択と5択が入り混じっており、選択肢の文が長いものがあります。論説文は本文中の空欄にあてはまる語句を選択する問題が目立ちます。主題や文脈を把握する力が求められています。いずれの読解も選択肢の読み取りが核となります。消去法を含む色々な手段を身につけていきましょう。

理科

大問1 生物総合(可視光線・三原色・光合成色素)
大問2 塩酸の性質・反応
大問3 天体総合(月・星座早見)
大問4 電流と磁界(モーターのつくり・電磁誘導)

合格者平均点は56.2点(70.3%)と、昨年度(62.7%)よりも上昇しました。大問1は難度こそ高くないものの、あまり見慣れない切り口(生物分野と物理分野の融合)で出題されており、戸惑った受験生もいたのではないでしょうか。大問2以降は比較的解きやすい問題が配列されています。本校の問題は、踏み込んだ知識も問われ、やや複雑な計算問題も出題されます。同程度の男子校の入試演習で練習を多く積み、対策をおこないましょう。

社会

大問1 歴史総合(宗教史)
大問2 地理総合(観光地としての日本)
大問3 公民総合(社会における法律・法治国家)
大問4 論述問題(一票の格差・選挙における平等)

例年通りの出題構成ではありますが、歴史分野では定番だったリード文の適語補充の問題がなくなりました。40分の試験時間に対して小問は34問ですが、最後に120字の論述問題があること、大問1~3にはそれぞれ長いリード文があること、また統計資料などの読み取りの問題や選択肢問題の文章量も多いことから時間的なゆとりはなく、過去問題を使った事前の対策が欠かせません。各大問ともに社会情勢なども含めた幅広い知識を身につけることが必要です。

 

2016年

算数

大問1 計算問題(2問)
大問2 ⼩問集合(7問)
大問3 ユークリッドの互除法
大問4 切断された⽴体の表⾯についての問題
大問5 さいころ3つの⽬の場合の数
大問6 テープの折り返し

受験者平均点は55.4点(46.2%)合格者平均点は70.7点(58.9%)でした。例年より難しかったといえるでしょう。⼤問2の⼩問集合の8問は標準的な問題ですので、ミスなく正解にしたいところです。後半になればなるほど問題のレベルは上がっていきます。⼤問5の場合の数は余事象を考えられるかどうかがポイントです。例年2題は考え⽅や計算の道筋なども採点される問題が出題されます。考え⽅をまとめる記述の練習も必要です。

国語

大問1 物語⽂(椰⽉美智⼦『14歳の⽔平線』)
大問2 随筆⽂(平川克美『路地裏の資本主義』)
大問3 漢字の読み書き

例年通りの構成です。昨年度より記述が1問増えましたが25字と字数が少ないので苦になることはないと思います。物語⽂は選択肢中⼼の設問構成です。4択と5択が⼊り混じっています。配点が異なるのでしょうか。論説⽂は本⽂中の空欄にあてはまる語句を選択する問題が⽬⽴ちます。主題や⽂脈を把握する⼒が求められています。いずれの読解も選択肢の読み取りが核となります。消去法を含む⾊々な⼿段を⾝につけていきましょう。

理科

大問1 植物総合
大問2 ⾦属と⽔溶液の反応
大問3 棒のつり合い
大問4 季節と天気

合格者平均点(得点率)は50.2点(62.7%)で、昨年度(67.2%)よりもやや低下しました。⼤問1は植物や森林に関する細かい知識が問われ、⼾惑った受験⽣も多かったと思われます。⼤問3は会話⽂に沿って解き進めていく形式でしたが、差がついた問題だったでしょう。本校の問題は、踏み込んだ知識も問われ、難度の⾼い計算も出題されます。同程度の男⼦校の⼊試演習で練習を多く積み、対策をおこないましょう。

社会

大問1 歴史総合(九州の史跡)
大問2 地理総合(⽇本のすがた)
大問3 公⺠総合(コンビニを通して⾒える社会)
大問4 税制を通して考える「⾃由と平等」

制限字数が昨年度の180字から⼆年前までの120字に戻った⼤問4の論述問題は、制限字数が短くなったことによって論述をまとめにくくなり、さらにグラフと数値の読み取りも難しくなっていました。⼤問1〜3は⻑めのリード⽂を読ませる例年通りの出題形式で、今年度の公⺠は全体的に標準レベルの問題が多い構成です。地理ではグラフや表の読み取りなど統計に関する問題が頻出なので、『⽇本のすがた』(⽮野恒太記念会)などを利⽤して対策をしましょう。

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