麻布中学校の入試問題分析(2016-2018年)

2018年

算数

大問1 倍数算
大問2 つるかめ算
大問3 場合の数
大問4 和や積の組み合わせ
大問5 点の移動(クモが虫を捕食できる範囲)
大問6 約束記号・規則性

一昨年、昨年は取り組みやすい問題が多かったのですが、今年は一筋縄でいかない問題が多く出題されました。大問5の作図問題は条件にあわせて試行錯誤して導き出します。大問6は条件にあわせて書き出して調べ規則を見つけさせる問題が出題されました。日頃から、書き出して根気よく調べる問題を多く演習しましょう。また記述の訓練はもちろん、誘導にのっ て解き進めるスタイルの問題を多く経験することも、麻布合格への突破口です。

国語

大問1 物語文 (深野野分『緑の子どもたち』)

例年通り、物語文の読解問題を解き進めていくとその文章の全体像が徐々に理解できる構成になっています。昨年度はシカが主人公でしたが、今年度はなんと地球外の世界が舞台の物語文でした。設問は心情の読み取り中心であり、こちらも例年通りです。強いて挙げると、今年度は場面や状況説明を記述させるものが目立ちました。問11は暗示されているものを考えて記述するものであり、大きな差がついたものと思われます。

理科

大問1 ヤンバルクイナ
大問2 セッケンの性質(疎水基と親水基)
大問3 降水・治水・タイタンと探査機カッシーニ
大問4 断熱変化を利用した機器について

例年通り初見のテーマ(高校課程の内容)が中心ですが、リード文や図表中に問題を解くカギが散りばめられています。大問3には時事的話題である「探査機カッシーニ」についての出題も見られました。どの設問も知的好奇心が旺盛な受験生が嬉々として取り組めるような内容です。本校の理科は単なる知識を問うのではなく、説明文や図表から考察していく問題が中心です。日ごろから科学的事象に目を向け、その原理や問題点を納得いくまで考え抜く習慣をつけましょう。

社会

大問1 総合問題

あるテーマに関する長めのリード文を読ませ、複数の論述問題を中心にした例年通りの出題構成です。この3年間は隔年現象で小問数の増減があり、昨年度は9問だった小問は19問に増加しました。高松塚古墳や菅原道真など、基本レベルの出題も見られます。論述問題は、社会的な関心を問うものと設問にある資料や図などを参照して答えさせるものに大別できます。世の中の動向に目を向けつつ、過去問題学習を通じて「論述する」対策が欠かせません。

 

2017年

算数

大問1 計算問題(1問)
大問2 時計算
大問3 面積比(比の商)
大問4 速さと比
大問5 砂糖水の濃さ(整数問題)
大問6 約束記号

今年度も昨年同様に比較的取り組みやすい問題が多く高得点勝負になったことでしょう。条件にあわせ幾通りも書き出して調べることから法則を見つけさせる問題が大問5と6で出題されました。日ごろから、書き出して根気よく調べる問題を多く演習しましょう。また記述の訓練もさることながら、誘導にのって解き進めるスタイルの問題に数多く経験することも、麻布合格への突破口でしょう。

国語

大問1 吉野万理子『ロバのサイン会』

例年通り、物語文の読解問題を解き進めていくとその文章の全体像が徐々に理解できる構成になっています。計10問の記述問題が出題されています。今年度の物語文の登場人物、いや、登場動物はなんとシカ! 森に住んでいた野生のシカたちが人里に出て、そして奈良公園にまでたどり着くという話です。シカのサンカクは最終的に森へと戻っていきますが、野生のシカであるというプライドの象徴が「角」であることを読み取りたいものです。

理科

大問1 ニホニウム合成の原理について
大問2 光の種類と発芽(光発芽種子)
大問3 慣性の法則
大問4 地球の歴史と生物の進化

今年度も初見のテーマ(高校課程の内容)が中心ですが、リード文や図表中に問題を解くカギが散りばめられています。大問1には時事的話題の「ニホニウム」についてが出題されました。大問3は誰もが経験したことがある「慣性の法則」を科学的に考えるという興味深い内容です。本校の理科は単なる知識を問うのではなく、説明文や図表から考察していく問題が中心です。日ごろから科学的事象に目を向け、その原理や問題点を納得いくまで考え抜く習慣をつけましょう。

社会

大問1 総合問題(日本の住宅・住宅地の変化)

昨年度は問15まであった設問数が今年度は問9までになっています。最後の大型論述問題の制限字数も減りました。出題形式自体に変化はなく、あるテーマに関する長いリード文を読ませて複数の論述問題に答えさせることを中心とした総合問題です。リード文だけではなく与えられた統計資料や地図、イラストや史料を正確に読み取る力が求められます。同時にそれらをまとめる思考力と文章力も必要です。また、一般常識や日常生活にかかわりのあること・ものに対する関心も欠かせません。

 

2016年

算数

大問1 割合と時間の単位換算
大問2 ⾯積⽐と連⽐
大問3 旅⼈算
大問4 重ねあわせた図形の構成と分割
大問5 整数問題
大問6 図形の構成の変化

今年度も昨年同様に⽐較的取り組みやすい問題が多く⾼得点勝負になったことでしょう。⼿作業で規則を⾒つける問題が⼤問4と6で出題されました。⽇ごろから、⼿を使って細かい作業であっても根気よく調べる問題を多く演習しましょう。また記述の訓練もさることながら、誘導にのるスタイルの問題に数多く触れていくことが、⿇布合格への突破⼝でしょう。

国語

大問1 物語⽂(辻村深⽉『家族シアター』)

今年度題材となった『家族シアター』は、全七編の「家族」にまつわる短編が収められています。⿇布の国語の⼊試問題は設問ごとに密接なつながりがあり、すべてを解き終えると⽂章全体を把握できるつくりになっています。⾔い換えれば、⼀つのミスが他の問題のミスを誘発するということです。記述は⼼情問題が中⼼です。登場⼈物の⾔動の細部にまで⽬を留めて、客観的にその時々の⼼情を理解する能⼒が試されています。

理科

大問1 体内時計(概⽇リズム)について
大問2 建染め染料(インジゴ)について
大問3 ブランコ(ふりこ)の運動と遠⼼⼒について
大問4 ⼤陸移動説について

今年度も受験⽣が初めて⽬にするテーマ(⾼校の学習内容)が中⼼ですが、リード⽂や図表中に問題を解くカギが散りばめられています。⼤問3はブランコで遊んだ経験があれば有利になる問いも⾒られました(もちろん科学的根拠に基づく説明も求められています)。本校の理科は単なる知識を問うのではなく、説明⽂や図表から考察していく問題が中⼼です。⽇ごろから科学的事象に⽬を向け、その原理や問題点を納得いくまで考え抜く習慣をつけましょう。

社会

大問1 総合問題(様々な境界とその歴史、現代の課題)

あるテーマについての⻑⽂を読ませ、論述問題を軸とした出題という形式は例年通りです。ここ数年の設問数は11問前後でしたが、今年度は問15まであり、最後に出題される制限字数のある論述問題も1問から2問に増え、字数も増加していました。いずれにしても⾼いレベルの⽂章構成⼒が必要とされ、同時に資料の正確な読み取り、解答の⼿掛かりを得るための読解⼒と社会的な知識も⽋かせません。過去問演習を通して求められるレベルを早めに実感しておくと良いでしょう。

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