聖光学院中学校の入試問題分析(2016-2018年)

2018年

算数

大問1 計算・小問集合
大問2 約束記号
大問3 速さ
大問4 図形の移動・場合の数
大問5 図形上の点の移動

受験者平均点は94.1点(62.7%)、合格者平均点は117.0点(78.0%)と、易化した昨年並みの得点率となっています。また、今年度も昨年度に引き続き、解答用紙に図示させる問題が出題されています。本校の大問は問題文が長文であることが多く、必然的に条件設定が複雑になってきます。問題文で与えられた条件を図や式などに表し、状況を正確に把握す ることが、解答への糸口となります。

国語

大問1 漢字の書き取り
大問2 知識(様子を示す形容詞)
大問3 物語文(渡辺優『自由なサメと人間たちの夢』)
大問4 説明文(亀田達也『モラルの起源』)

問1の漢字は例年と比較すると易化。大問2は毎年出題される独特な知識問題。今年度は様子を表す同じ二文字を繰り返す形容詞が問われました。読解については、大問3が物語文で大問4は論説文であり、近年と同じ構成でした。聖光学院は、 5択で長めの選択肢問題を要領よく解かねばなりません。受験者平均点は94.8点、合格者平均は104.2点(150点満点)とやや高めでした。傾向がはっきりしていて対策が立てやすい学校といえます。

理科

大問1 ヒトの肺と呼吸
大問2 ハワイ諸島の成り立ち
大問3 環境問題
大問4 ばねと浮力

合格者平均点は72.9点、受験者平均点は65.9点となっています。ここ数年、理科は難化傾向にあり、しっかりとした準備が必要です。各分野から1題ずつの出題で、いずれの大問も、1つのテーマから様々な話題に発展する出題形式となっています。各分野の知識を身につけるとともに、身につけた知識を広げていくような学習(理科辞典を読む・用語集に目を通すなど)をしていきましょう。また、過去問演習を通して出題傾向を掴んでおきましょう。

社会

大問1 歴史総合
大問2 伊豆半島
大問3 公民総合
大問4 通貨

短文論述が3問出題されていますが、基本的に選択式の問題を中心に構成されています。最難関校では珍しい出題構成ですが難度は高く、豊富な知識量と理解力が求められます。また、今年度にも見られるように神奈川県に関わる出題は頻出です。試験時間は40分ありますが、選択肢が多く慎重な吟味が必要にもなるため、時間的なゆとりはあまりないでしょう。特徴のある出題構成・内容です。過去問題学習での対策が欠かせません。

 

2017年

算数

大問1 計算・小問集合
大問2 場合の数
大問3 平面図形と場合の数
大問4 水量変化
大問5 立方体と点の位置関係・点の移動

ここ数年、難化傾向にありましたが、3年ぶりに合格者平均点が7割程度に戻り易化しました。大問1では計算が1問、小問が2問の計3問が出題されました。例年、記述で解答させる問題が出題されますが、今年度は大問5で作図問題が出題されました。今年度の問題レベルであれば、次年度以降、取りこぼしは許されません。基本解法は早めに定着させ、過去問演習を通して、時間配分および記述問題の対策を行っていきましょう。

国語

大問1 漢字の書き取り
大問2 知識(心の動きを示す慣用表現)
大問3 物語文(原田マハ『生きるぼくら』)
大問4 論説文(加藤博子『五感の哲学』)

大問1の漢字は例年通り手強いものばかり。大問2はこちらも毎年出題される独特な知識問題。大問3は物語文で大問4は論説文。昨年度と構成は全く同じです。聖光学院は、5択で長めの選択肢問題を要領よく解かねばなりません。また、一昨年度出題された長い記述問題(120字)は昨年度、今年度はありませんでした。受験者平均点は85.7点、合格者平均は96.9点(150点満点)。傾向がはっきりしていて対策が立てやすい学校といえます。

理科

大問1 生物の進化
大問2 大気による日光の屈折
大問3 固体の溶解度
大問4 音の性質

合格者平均点は73.2点、受験者平均点は63.8点。昨年よりも各平均点が10点程度下がりました。難化しましたが、本校の過去問で十分にトレーニングを重ねた受験生にとっては解きにくくはなかったでしょう。大問2は、春分の日における昼と夜の長さの差に二種類のアプローチを用いて言及する問題でした。問題を解くことで大気と日光の関係が理解できる構成です。8ページにもわたる超大作ですので、本校を目指している受験生には一度目を通してもらいたいと思います。

社会

大問1 歴史総合
大問2 法制度
大問3 郵便
大問4 中部地方

本校の入試問題は最難関校にしては珍しく、論述問題はほとんどなく、選択式・用語記入式の問題が並んでいます。大問1の歴史はスタンダードな問題が多く、漢字指定の問題もありました。大問2は冤罪や死刑をテーマにした問題でした。大問3は郵便をテーマにした問題で、社会常識が問われました。最後の大問4は長野県の諏訪を題材にした地理分野中心の問題でした。一般教養をふくめた幅広い知識が求められていますので、ニュースや新聞を活用して知識を吸収していきましょう。

 

2016年

算数

大問1 計算と⼀⾏問題
大問2 N進法
大問3 場合の数
大問4 速さ
大問5 平⾯図形の回転移動

例年通りの問題構成でしたが、難度は上がりました。ここ数年、受験者のレベルが上がり例年の問題レベルだと点差がつかなくなったことが背景にあるのではないでしょうか。来年以降は、今年の難度が維持もしくは上がる可能性が考えられますので、注意が必要です。記述で解答させる設問は1問のみですが、思考⼒を要する問題が数多く出題されます。基本解法は早めに定着させ、過去問を繰り返し⾏うと良いでしょう。

国語

大問1 漢字の書き取り
大問2 ことばの⾔い回し
大問3 物語⽂(平⼭瑞穂『遠すぎた輝き、今ここを照らす光』)
大問4 論説⽂(藤⽥正勝『哲学のヒント』)

⼤問1の漢字は例年通り⼿強いものばかり。⼤問2はこちらも毎年出題される「既存しない『知識問題』」。今回は「同じ⾳の清⾳と濁⾳が連続して始まる⾔葉や⾔い回し」です。⼤問3は物語⽂で⼤問4は論説⽂。聖光学院特有の5択、かつ⻑めの選択肢を要領よく解かねばなりません。また、昨年度出題された⻑い記述問題(120字)は今年度はありませんでした。受験者平均点は89.4点、合格者平均は103.4点。傾向がはっきりしていて対策が⽴てやすい学校といえます。

理科

大問1 ソメイヨシノ
大問2 太陽系の惑星
大問3 氷・⽔・⽔蒸気
大問4 浮沈⼦とガリレオ温度計

合格者平均点は83.6点、受験者平均点は76.7点。全体的に知識を問う問題が多く、例年よりも解きやすく感じた受験⽣は多かったのではないかと思いますが、4題とも1つのテーマから様々な話題に発展する出題形式でしたので、⽇頃から知識を連結していく学習が必要です。例えば、⼤問4は浮⼒に関する問題でしたが、浮沈⼦・ガリレオ温度計・アルキメデスについて・氷の密度など様々な⾓度からの質問がなされました。話題の膨らませ⽅は⼤変参考になります。本校を⽬指す受験⽣は⼀度⽬を通しましょう。

社会

大問1 地理・歴史総合(関東地⽅)
大問2 地理・歴史総合(近畿地⽅)
大問3 公⺠(総合)

本校の社会は難関校にしてはやや珍しい記号選択式中⼼の出題ですが、難易度の⾮常に⾼い問題がそろっています。まず⼤問1では神奈川県の鉄道をテーマにしたリード⽂をもとに、地理と歴史の知識が問われました。次の⼤問2では、近畿地⽅に関する地理と歴史の問題が続きます。そして、最後の⼤問3がもっとも分量の多い問題で、労働問題をテーマに国内外のさまざまな知識が問われました。幅広い知識が求められる最難関校にふさわしい問題です。

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