渋谷教育学園渋谷中学校の入試問題分析(2016-2018年)

2018年

算数

大問1 小問集合(6問)
大問2 場合の数
大問3 立体の切断と展開図
大問4 点の移動

大問4題は例年通りで、大問1(6)と大問4は途中式(考え方)を記す形式になっています。大問1(5)には論述問題も見られました。大問3(3)は展開図と説明文中のヒントから、立方体をどのように切断してできた立体なのかを作図して考える力が必要です。問題文をよく読み、条件を整理すれば意外と解きやすいという問題も多く出題されています。しかし、解くのに根気が必要な問題もありますので、日頃から作業量の多い問題に積極的に取り組みましょう。

国語

大問1 物語文(ヘルマン・ヘッセ『車輪の下で』)
大問2 論説文(森博嗣『自分探しと楽しさについて』)

例年通りの出題構成でした。大問1の物語文は心情把握が中心です。記述問題は80字が1問のみです。大問2の論説文は、「自分が思う自分」と「他者が思う自分」の違いを明らかにし、結局「自分」とは何かを問う文章でした。記述問題は55字、75字の2問です。本校の合否を分けるのはやはり選択問題です。5択で非常に紛らわしいものが多いのが特徴です。選択問題の対策は必須です。

理科

大問1 水温躍層について考察する問題
大問2 作用・反作用の法則について考察する問題

大問は2題で昨年より1題減りましたが、小問数は変わらず14問でした。大問2の後半で出題されたドラえもんに出てくるタケコプターをテーマにした設問は大変ユニークでした。様々なデータ(説明文・表やグラフ)から考察していく出題傾向は健在です。対策として、資料を分析・考察するための材料となる基本知識の定着が第一です。その上で、日ごろの学習から様々な現象に対して深く考え、自ら導き出した結論を簡潔に表現できる力を養うことを心がけていきましょう。

社会

大問1 お金の歴史
大問2 農作物と旬
大問3 国際貢献と自衛隊

全体の構成に大きな変化は見られませんが、3問出題された論述問題は昨年度までと変わって制限字数がなく、その内容も資料の分析や読み取りは1問で、他の2問は意見を書かせるなどこれまでにない内容になっています。求められる知識は幅広く、またデータの読み取りなども頻出のため、難度の高い出題内容です。基本事項は早めに確実に定着させ、その上で他校の入試問題などさまざまな種類の問題を解いてみると良いでしょう。

 

2017年

算数

大問1 小問集合(6問)
大問2 カードの並び替えの場合の数
大問3 円の転がり
大問4 速さ

大問4題は例年通りで、大問1(6)と大問4は途中式(考え方)を記す形式になっています。大問1は作業を要する問題も含まれていますが、全問正解が理想です。大問2と大問3は、ともに(3)に戸惑った受験生がいたかもしれません。大問4はダイヤグラムが描けると解きやすくなります。問題文をよく読み、条件を整理すれば意外と解きやすいという問題も多く出題されています。しかし、解くのに根気が必要な問題もありますので、日頃から作業量の多い問題に積極的に取り組みましょう。

国語

大問1 物語文(ドリアン助川『あん』)
大問2 論説文(中沢新一『悪党的思考』)

例年通りの出題構成です。物語文は主人公の心情把握が中心の設問構成です。記述問題は60字が1問のみです。論説文は、本文のキーワードである「博物学」の意味を記述させたり、他の事柄と対照させたりする問題がありました。記述問題は60字、50字の2問でした。選択肢はいずれも5択で非常に紛らわしいものが多いです。選択問題の対策は必須です。ただ、近年は文章自体の難度が高くないため高得点での争いになる傾向にあります。

理科

大問1 生物のつながり
大問2 光の速さの計測実験
大問3 水の状態変化と熱

大問3題、小問15問と例年通りのボリュームでした。様々なデータ(説明文・表やグラフ)から考察していく出題傾向は健在です。長い文章やはじめて見るような資料の読み取りが問われますので時間は取られるでしょう。資料を分析・考察するための材料となるのが基礎知識です。本校を目指す受験生は、まず基礎知識の定着を図りましょう。その上で、日ごろの学習から様々な現象に対して深く考え、自ら導き出した結論を簡潔に表現できる力を養うよう心がけていきましょう。

社会

大問1 無形文化遺産(和食)
大問2 総合問題(流通)
大問3 選挙・議会制民主主義

大問3題、複数の短文論述と制限字数50字の論述問題がある構成は昨年度とほぼ同じです。試験時間30分に対し、小問数は少し増加して39問でした。論述問題のレベルは高く、豊富な知識量や資料分析力が求められます。問題全体を通して多くの統計資料、イラストや資料写真、地図などが見られるので、日頃から地図帳や『日本のすが
た』、『プロムナード日本史』などを使って学習する習慣が欠かせません。身近な話題や一般常識、雑学的な知識も必要です。難度の高い試験です。

 

2016年

算数

大問1 計算・⼩問集合
大問2 場合の数(さいころ)
大問3 平⾯図形(折り返し)・⽴体図形(回転体)
大問4 速さと⽐

⼤問は例年通り4題構成です。⼤問1(6)と⼤問4は途中の式・考え⽅を書く形式になっています。⼤問1は若⼲解きづらい問題もありますが、しっかり正解したいところです。本校の⼊試問題は、⼀⾒難しく⾒えますが、条件を整理し、作業を丁寧に⾏っていけば正解にたどり着けます。ただし、作業がかなり複雑な問題もありますので、根気よく作業する必要があります。⽇頃から作業量の豊富な問題に積極的に取り組んでおくと良いでしょう。

国語

大問1 物語⽂(今村夏⼦『こちらあみ⼦』)
大問2 論説⽂(⽚⽥珠美『⼀億総ガキ社会「成熟拒否」という病』)

例年通りの出題構成です。物語⽂は主⼈公の⼼情把握が中⼼の設問構成です。⼩学校1年⽣の幼い主⼈公の抱く⼼情は、みな経験がありそうなものでしたが、いざ⾔葉にしてみようすると意外と迷ってしまったかもしれません。論説⽂は、本⽂のキーワードである「他責」の意味を記述させたり、本⽂で述べられている状況についての具体例を挙げ、その説明を選択させたりしています。その場で得た情報をどれだけ活⽤できるかが問われていました。

理科

大問1 溶解度の計算
大問2 ⽕⼭とホットスポット
大問3 オオカナダモの⽣態

⼤問3題、⼩問14問と昨年とほぼ同じボリュームでした。様々なデータ(説明⽂・表やグラフ)から考察していく出題傾向は健在です。今年は⼤問2と3がそれにあたります。資料を分析・考察するための材料となるのが基本知識です。本校を⽬指すにあたっては、まず基本知識の定着を図りましょう。その上で、⽇ごろの学習から様々な現象に対して深く考え、⾃ら導き出した結論を簡潔に表現できる⼒を養うことを⼼がけていきましょう。

社会

大問1 総合問題(明治⽇本の産業⾰命遺産)
大問2 歴史総合(国家の仕組み)
大問3 公⺠総合(戦後70年談話)

昨年度⼤きく変更された出題形式は、今年度も変更されました。論述問題の制限字数が150字から60字に⼤幅に減少しています。全体的にも、昨年度は作図問題や総合学習的な内容が含まれていましたが、今年度は標準的な社会の問題となっており、⼆年前までに近い出題形式でした。時事的な話題と地形図が頻出、公⺠分野に限定された出題は少なく、地理と歴史の⽐重が⾼い問題構成です。基本事項の定着に⼒を注ぐとともに、論述の対策を必ずおこないましょう。

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