さて、早々にクイズを一つ。
ヒントは江戸時代末から明治時代初期の非常に有名な人物。
クイズ!
「大酒飲み、居合術の達人、神頼みや迷信が大っ嫌い、下宿先では夏は裸で過ごしてお手伝いさんを困らせる、ほら吹き、口が悪く嫌味が好き」
……あまり行儀のよくない人物ですね。
誰のことでしょうか。
友達にはなりたくない感じ……?
答えは、慶應義塾の創立者である福澤諭吉「先生」の若かりし頃のすがた。
「教育者」のイメージがありますが、かなり生意気でやんちゃな青年期だったようで、『福翁自伝』にはここでは紹介できない自由奔放でハチャメチャな話がたくさん紹介されています。
緒方洪庵の「適塾」での日々
同時に、その当時の世に知られた緒方洪庵が大阪で開いていた「適塾」では、わずか22歳で塾頭を務めるほどの頭脳と活力を持ち合わせていました。
28畳一間に寝る間も惜しんで学問に没頭する100人ほどが暮らしていた適塾は、日本史において重要な多くの人物を輩出した日本有数の私塾です。
福澤諭吉はやんちゃな振る舞いの一方で勉強を決してサボることはなく、「立身出世などを考えず、ただただ仲間とともに学問に打ち込み」「とことん究めてやろう」との思いで研鑽を重ね、「あるとき具合が悪くなって少し休もうと思ったら枕が見つからず、よく考えると1年半も枕を使って横になって寝たことがなかった(勉強の途中で机に突っ伏して寝てしまう)」と当時を振り返っています。
すさまじい勉強量ですね。
歴史は多くの人の人生が重なり合って生まれる
歴史とは、こうした有名な人物や私たちのような市井の人々の人生の集合体です。多くの人の人生が重なり合って歴史は生まれるのです。
偉大な人物も若いころはそこら辺にいるやんちゃ小僧だった……なんてことに想いを馳せながら、歴史を一緒に紐解いていきませんか。