土曜プログラムは20年前から始まった本校独自の教育活動です。
「豊かな教養を培う土曜日」として本校の特色となっています。
興味関心によって生徒が授業を選び、自分で時間割を作ります。そのため、中学生と高校生が一緒に席を並べていることが日常的にあり、他学年の生徒との自然な協働を通して刺激も受けます。
大学教員をはじめ、各分野で活躍する専門家が講師に
講師は、各分野で活躍する専門家で、卒業生やその保護者も多数協力しています。なかには本校教員が講師となるものもあります。普段の授業ではなかなかできない専門的な実験をつきつめたり、日本舞踊や三味線などのお稽古も年間を通じてじっくり取り組んだりすることができます。
土曜プログラムが進路決定にも大いに役立つ
土曜プログラムは、進路を決める際にも大いに役立っています。
土曜プログラムは、生徒が個人の興味・関心に応じて多様な分野に広く浅くふれ、さらに将来の進路として深めていきたいこと・自分の課題として取り組みたいことを見つける好機となっています。
座学だけではない、充実した土曜プログラム
さて、5月から今年度の土曜プログラムが始まりました。全8回、生徒が自分の興味・関心に応じて1・2時間目を組み合わせ、一人ひとりが時間割を作って学びます。
座学だけではありません。
また、植物園や新国立美術館などで研究員・学芸員の方からお話を聞き、感じて考える講座もあります。
土曜プログラムの講座紹介
では、いくつか講座を紹介しましょう。
中等部1年生対象「ENGLISH ACTIVITY」講座
最初は中等部1年生対象の「ENGLISH ACTIVITY(身体で英語を感じよう)」講座です。
教室の外から聞こえてきたのは、♪「I’ve been workin' on the railroad……」♪という愉快な歌声。
この日はいろいろなクラスが入り混じっており、初めて会う友人も多いはずなのですが、歌って踊るうち、いつのまにか笑顔と笑い声が広がっていました。
手話や口話を通して、ろう文化と聴者の文化を知る「音のない世界をのぞいてみよう」講座
声の出る講座ばかりではありません。
静かなのですが、なにやら教室の空気が動いてわきたっている様子の教室があります。
ろうの方と手話通訳の方(卒業生)がペアで講師を務めます。20年来この先生方が組んで教えて下さっているだけあり息もぴったりです。
今日は自己紹介や出身県などの伝え方から学んでいました。
ふと教室の後ろを見ると、……一緒に先生たちも手話を勉強していました!
ともに分かり合うとぐんと世界が広がります。
1時間の授業があっという間に過ぎ去るイタリア語講座
となりの教室では、イタリア語講座が開かれていました。
ダニエラ先生からイタリアの簡単な歴史、地形などをまず教わり、自分の名前や簡単な挨拶から勉強を始めます。
ご出身は、ローマの南にあるCASTROVILLARIという町だそうです。
あっという間に今日の1時間は終わってしまいました。次回からの授業が楽しみです。
荏原流れ太鼓ひびき会のみなさんから学ぶ「東京の和太鼓」講座
また、地下の講堂からは勇ましい太鼓の音が聞こえました。
これは「東京の和太鼓」講座。"荏原流れ太鼓ひびき会"のみなさんから教わります。
先生方のデモンストレーションに目をみはる生徒たち。
ある高等部2年の生徒は、受講したきっかけを次のように話してくれました。
先生方は「実はインナーマッスルが鍛えられますよ!」と生徒たちを鼓舞していました。
花の魅力に気づかされる「生け花(草月流)」講座
生け花(草月流)の講座では約40人の生徒が真剣な表情で花を生けていました。
この日の花材は、カーネーション、ブプレウルム、アレカヤシ。
初めて生け花にトライしたという高等部1年生はこう言っていました。
ふだん何気なくみていた花の魅力に気づかされたようです。
多くのことを感じる「土曜プログラム」の魅力
中等部1年生の「土曜プログラムノート」から一部ご紹介します。「生け花」講座を初めて受講した中等部1年生の感想です。
1回の「生け花」講座で、さまざまなことを感じとったようです。
専門家から学べる多様な講座が用意され、自分で組んだ時間割で学べる充実した「土曜プログラム」の時間
生け方から多様性を感じることができる「英国風フラワーアレンジメント」「フランス式フラワーアレンジメント」講座
ほかにも、お花関連では、英国風フラワーアレンジメントやフランス式フラワーアレンジメントなどを学べます。
語学学校の先生から直接学ぶ外国語講座
外国語では、イタリア語、韓国語、スペイン語、中国語、ドイツ語、フランス語、ロシア語が学べます。
英会話だけにとどまらない英語講座
英語では英会話だけにとどまらず、多様な講座が準備されています。
専門家から学べる講座のいろいろ。自分で組んだ時間割で学べる時間がこれからも続きます。
【田園調布学園 中等部・高等部 土曜プログラム担当 二井依里奈】